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DISTILLERY

サイレントプール蒸溜所

Silent Pool Distillers

基本情報

所在地イングランド・サリー州アルバリー、シェア・ロード(GU5 9BW)。アルバリー・エステート内、サイレント・プールのほとり[1][2]
運営Silent Pool Distillers(2023年9月からウィリアム・グラント&サンズ傘下)[3][4]
開業2014年[5][3][6]
創業者イアン・マカロック、ジェームズ・シェルボーン[3][7][8]
蒸溜器アーノルド・ホルスタイン社製の銅製2基(ジュリエット350リットル、オフィーリア1,800リットル)[2][9][5]
熱源ジュリエットは地元の薪で焚く修復した蒸気ボイラー、オフィーリアはHVO(水素化処理植物油)のボイラー[9][1]
見学90分の見学と試飲、25ポンド、18歳以上・要予約(2026年9月時点)[10]

目次

  1. 湖のほとりの牛舎を、蒸溜所に変えた
  2. 創業から、ウィリアム・グラント&サンズの傘下へ
  3. 2基の蒸溜器。1基目は今も薪のボイラーで温める
  4. 見学とラインナップ
  5. ブランドが語る物語
  6. 年表

湖のほとりの牛舎を、蒸溜所に変えた

サイレントプール蒸溜所の所在地は、イングランド南東部サリー州のアルバリー。シェア・ロード沿いです。ノーサンバーランド公爵のアルバリー・エステートの中で、「サリーヒルズ特別自然美観地域(AONB)」の内側です。[1][2][5][4]

蒸溜所が面しているサイレント・プールは小さな湖で、ブランドの説明では、古くからの湧き水として白亜(チョーク)の帯水層から澄んだ水が湧いています。イタリアの輸入元ヴェリエは、雨水が白亜の地層にしみ込むあいだに自然にろ過され、湖らしい緑がかった水色になると書いています。[11][12]

建物は、もとは農場のものでした。牛舎です。マカロックは場所を探すとき、「丸太小屋とベランダ、湖、煙突のある、昔ながらの田舎らしいところ」を望んだと語っています。エステート側が示したのは湖に隣り合う使われなくなった牛の搾乳小屋と傷んだ農場の建物で、ノーサンバーランド・エステーツの手を借りて、これを蒸溜所に作り替えました。[7][1]

創業から、ウィリアム・グラント&サンズの傘下へ

始まりは2013年です。公式サイトによると、この年、新しい蒸溜所をつくるために友人たちが集まりました。創業者の一人は、ITVで30年近く商業部門の責任者を務め、メディアの助言役も経験したイアン・マカロック。共同創業者のジェームズ・シェルボーンとは共通の友人を通じて知り合い、Gin Foundryによると、二人は資金を出し合って事業を始めました。[1][7][8][3]

マカロックは、サリーの土地の味わいを写しとり、「ボトルに詰めたサリー」をつくりたかったと語っており、何か月も試作を重ねた末に行き着いたのが、ボタニカルの性格ごとに扱いを分ける4段階の工程でした。[12][7]

開業は2014年。The Gin Guildによると、2019年にはThe Spirits BusinessのThe Gin Mastersで金賞を受けました。2022年には「クイーンズ・アワード・フォー・エンタープライズ」の国際貿易部門を受けています。[5][7][13]

2023年9月、ウィリアム・グラント&サンズが金額を公表せずに同社を買収し、生産はサリーヒルズに残したまま、世界での供給と流通をウィリアム・グラントが受け持つ形になりました。マカロックはこのとき、9年かけて、つくられる土地を映す製品を生む蒸溜所を築いてきたと振り返りました。当時の輸出先は30か国以上です。[4][3]

2基の蒸溜器。1基目は今も薪のボイラーで温める

蒸溜器は2基。どちらもドイツのボーデン湖の地方にあるアーノルド・ホルスタイン社が手づくりした銅製です。1基目の「ジュリエット」は容量350リットル。The Gin Guildによると2014年に据え付けられ、2基目の「オフィーリア」は2018年に加わった1,800リットルの蒸溜器です。[2][1][9][5]

ジュリエットの熱源は、修復した古い蒸気ボイラー。燃料は薪。地元でよく乾かした広葉樹を使うことで、燃料を運ぶ距離を短くしています。オフィーリアは違います。ボイラーを水素化処理した植物油(HVO)で焚き、ブランドによれば、この燃料で温室効果ガスの排出を最大90%減らせます。[9][1]

冷却も工夫しています。不凍液のグリコールを閉じた回路で循環させて冷却し、蒸溜で出た熱はためておいて、蒸溜器を温め直すのに回します。貯蔵に使うステンレスのタンクは、スロベニアから取り寄せた特注品です。[9][1]

精溜塔もあります。何段にも仕切られた塔で、Gin Foundryが2016年に伝えたところでは高さ10フィート、ここを抜けるとスピリッツの度数はおよそ90%に上がります。ヴェリエは2024年の記事で、単式と連続式を組み合わせた特注のハイブリッド型蒸溜器を使っていると書いています。[8][7][12]

見学とラインナップ

見学できます。2026年9月時点の公式サイトでは、見学と試飲で90分、料金は25ポンドです。銅の蒸溜器やボタニカルを見て、4段階の工程の説明を聞き、途中で試飲もします。18歳以上、要予約。[10]

公式オンラインショップには、サイレントプール ジンのほか、ローズ、イングリッシュ・ガーデン、タイ・ライムの3つの「エクスプレッション」や、1リットル瓶のレア・シトラスが並びます。The Gin Guildは、ブラック・ジュニパー・ジンにも触れています。[14][7]

日本への輸入は2017年8月から。ウィスク・イーがサイレントプール ジンの正規輸入を始めました。2021年6月には同社の20周年を記念して、蒸溜所として初めての地域限定品「ジャパンエディション」が出ています。2025年12月の発表でも、同社は自社をサイレントプール ジンの輸入代理店としています。[15][16][17]

ブランドが語る物語

舞台は13世紀の初め。ヴェリエが紹介する湖の言い伝えでは、木こりの娘エマが湖で水浴びをしているところを騎士に襲われかけ、逃れようとして沈んでしまいました。父親が見つけた騎士の帽子には、「欠地王」ジョン王子の紋章があったといいます。Gin Foundryによると、ボトルに描かれたボタニカルの絵の中には、この伝説の登場人物が隠れています。[12][8]

年表

2013年イアン・マカロックら友人たちが集まり、蒸溜所づくりを始める[1]
2014年蒸溜所が開業し、1基目の蒸溜器ジュリエット(350リットル)を据え付け[5][3]
2017年8月ウィスク・イーが日本で正規輸入販売を開始[15][6]
2018年2基目の蒸溜器オフィーリア(1,800リットル)を導入[5]
2019年The Gin Masters 2019 のウルトラ・プレミアム部門で金賞[13][7]
2021年6月日本向けの地域限定品「ジャパンエディション」を発売[16]
2022年クイーンズ・アワード・フォー・エンタープライズ(国際貿易部門)を受賞[7]
2023年9月ウィリアム・グラント&サンズが買収。生産はサリーヒルズで継続[3][4]
2025年12月ウィスク・イーが、サイレントプール ジンの輸入代理店として日本でのイベントを発表[17]

サイレントプール蒸溜所の銘柄

参考資料

  1. Silent Pool Distillers 公式(Our Story)
  2. Silent Pool Distillers 公式(蒸溜所)
  3. The Spirits Business(2023年9月15日)
  4. The Drinks Business(2023年9月14日)
  5. The Gin Guild(Silent Pool Distillery)
  6. ウィスク・イー(国内輸入元・製品ページ)
  7. The Gin Guild(イアン・マカロック紹介)
  8. Gin Foundry(2016年5月13日)
  9. Silent Pool Gin ブランドサイト(サステナビリティ)
  10. Silent Pool Distillers 公式(蒸溜所ツアー)
  11. Silent Pool Gin ブランドサイト(製品)
  12. Velier(イタリアの輸入元、2024年4月5日)
  13. The Spirits Business(The Gin Masters 2019 結果)
  14. Silent Pool Distillers 公式ショップ(Silent Pool Gins 一覧)
  15. ウィスク・イー(プレスリリース、2017年7月、共同通信PRワイヤー)
  16. ウィスク・イー(国内輸入元・ジャパンエディション)
  17. ウィスク・イー(プレスリリース、2025年12月19日、PR TIMES)

最終更新:2026-09-29 内容の誤りを知らせる