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DISTILLERY

MGデスティレリアス(ミケル・グアンセ蒸溜所)

MG Destilerías (Destilerías Miquel Guansé)

基本情報

所在地スペイン・ビラノバ・イ・ラ・ジェルトルー(バルセロナから約50キロ)[1][2]
蒸溜所の運営ジロ・リボ家(家族経営、1835年に商いを始める)[2][3]
経営陣(2022年時点)CEO マヌ・ジロ、マスターディスティラー マルク・ジロ[3]
ジン・マーレのブランド所有者Brown-Forman(2022年11月から)[1]
ジン・マーレの誕生2010年[1]
蒸溜器フローレンタイン型を複製した特注のポットスチル(250リットル)。18世紀の礼拝堂に設置[4][5][1]
ベーススピリッツフランス産大麦のニュートラルスピリッツ[2][1]
見学原則として受け入れなし[2][4]

目次

  1. 地中海の漁師町と、ある一族
  2. 修道士の静養所だった敷地
  3. 地元のオリーブを軸にした新しいジン
  4. 礼拝堂の中で、ボタニカルを分けて蒸溜する
  5. ブランドが語る物語
  6. 提携から売却へ
  7. 年表

地中海の漁師町と、ある一族

MGデスティレリアスは、コスタ・ブラバとコスタ・ドラダの間にある漁師町、ビラノバ・イ・ラ・ジェルトルーの蒸溜所です。バルセロナからは約50キロです。酒の専門サイトDifford's Guideは「デスティレリアス・ミケル・グアンセ」の名で紹介しています。[1][3][2]

営んでいるのはジロ・リボ家。1835年からワインの産地ペネデスで芳香性のコーディアルやワインを商ってきた家です。Brown-Formanは2022年の発表で、同社を185年以上の経験をもつ家族経営の会社と紹介しています。[2][3]

1900年代の初めにブランデーとウイスキーの蒸溜にも手を広げた一族は、1940年に「Gin MG」を発売しました。Difford's Guideは、Gin MGをスペインでよく売れているジンのひとつと紹介しています。この一族の4代目にあたるマルクとマヌエルの兄弟が、ジン・マーレを手がけました。2022年の時点では、マヌ・ジロがCEO、マルク・ジロがマスターディスティラーを務めています。[2][3]

修道士の静養所だった敷地

今の敷地は、もともと修道士の静養所でした。一族がここを買い取ったのは1950年代です。ジン・マーレの蒸溜器は、敷地の中の礼拝堂に置かれています。ジン・マーレの公式サイトとBrown-Formanによると、この18世紀の礼拝堂は蒸溜所の入口に立っています。[2][4][6][7][1]

蒸溜器の上には、1928年にJoachim Mirが描いた、天と地と海が交わる光景のフレスコ画があります。[4]

見学は原則できません。[2][4]

地元のオリーブを軸にした新しいジン

地中海のボタニカルで自分たちのジンをつくろうと、マルクとマヌエルの兄弟は2007年、小さなポットスチルで45種類のボタニカルを1種ずつ蒸溜し、蒸溜液を一つひとつ評価しました。中心に選ばれたのは、地元カタルーニャで知られるアルベキーナ種のオリーブです。[2]

アルベキーナ種は、おもにエクストラバージン・オリーブオイルを搾るための品種です。ジン・マーレ用には有機栽培の実を、傷がつかないよう手で収穫します。果汁が少ない品種なので、1回の蒸溜に15キロが要ります。[2][5]

ベースは大麦です。Brown-Formanは上質な大麦に別々に蒸溜した地中海のボタニカルを合わせたレシピと説明しており、柑橘を漬けるニュートラルスピリッツもフランス産の大麦からつくられています。[1][2]

礼拝堂の中で、ボタニカルを分けて蒸溜する

ジン・マーレの蒸溜器は、フローレンタイン型のポットスチル(釜に原料を入れて1回ずつ蒸溜する単式の蒸溜器)を複製した特注品です。容量は250リットル。1回に200リットルの漬け込み液を入れます。[4][5][1]

漬け込みは原料ごとに分けます。オリーブは電動の破砕機で割り、蒸溜器の中で漬け込みます。柑橘とオリーブ以外のボタニカルの多くは36時間以上それぞれ漬けてから蒸溜し、1回の蒸溜はおよそ4時間半かかります。出はじめと終わりを除いた中ほどの部分、いわゆるハートは1回でおよそ105リットルです。[2][8][5]

いちばん長く時間をかけるのは柑橘です。セビリアのスイートオレンジ、バレンシアのビターオレンジ、リェイダのレモンの皮を手でむき、約50%に薄めたフランス産大麦のニュートラルスピリッツに1年間漬けます。1年に使う皮はオレンジが200キロ、レモンが80キロです。[2]

できた6つの蒸溜液は、ニュートラルスピリッツと精製水で合わせます。ブレンドと瓶詰めは、礼拝堂の隣にある本工場で行います。[4][5]

ブランドが語る物語

一族のジンづくりの始まりは、スペイン内戦のころの出来事として語られています。マヌエル・ジロが地元の山に身を隠していたとき、ジュニパーの茂みが多いことに気づいたといいます。ジュニパーベリーは、一族がテルエルに持つ畑で手摘みしたものと紹介されています。[2]

礼拝堂にも古い話があります。かつては町の浜辺に立ち、漁師たちが海へ出る前に航海の無事と大漁を祈った場所だったと伝えられています。18世紀、浜を町のいちばんの財産と考えた町長が礼拝堂を邪魔だとしたため、修道士たちがレンガを一つずつ運んで移したといいます。[2]

提携から売却へ

発売に向けて、兄弟にはブランドを売り込む力と販路が足りませんでした。Difford's Guideによると、兄弟はGlobal Premium Brandsと提携し、ブランドを両者で半分ずつ持ちました。パッケージとマーケティング、販売を受け持ったのはGlobal側です。一方、The Spirits Businessは創業者として、ジロ家とVantguardのアルフォンソ・モロド、アントニオ・パルドを挙げています。両社の関係については、どちらの記事も触れていません。[2][9]

2022年9月、Brown-FormanはVantguardとMGデスティレリアスからジン・マーレとカプリを買うと発表し、11月に取得を終えました。生産は引き続きこの蒸溜所で行うとされました。ジロ家は発表の中で、Brown-Formanを、より多くの消費者とバーテンダーにジン・マーレを届けながら、地中海の上質なジンをつくり続けられる相手だと述べています。[3][1]

年表

1835年ジロ・リボ家が芳香性のコーディアルやワインの商いを始める(ペネデス・ワイン産地)[2][3]
1900年代初めブランデーとウイスキーの蒸溜も手がける[2]
1928年礼拝堂にJoachim Mirのフレスコ画が描かれる[4]
1940年「Gin MG」を発売[2]
1950年代修道士の静養所だった現在の敷地を購入[2]
2007年小型のポットスチルで45種のボタニカルを試し、新しいジンの開発を始める[2]
2010年ジン・マーレが誕生[1]
2021年派生品「ジン・マーレ・カプリ」を発売[3]
2022年9月Brown-Formanがジン・マーレとカプリの取得を発表[3]
2022年11月Brown-Formanがジン・マーレのブランドを取得[1]

MGデスティレリアス(ミケル・グアンセ蒸溜所)の銘柄

参考資料

  1. Brown-Forman(2022年11月3日)
  2. Difford's Guide
  3. Brown-Forman(2022年9月6日)
  4. Difford's Guide
  5. Gin Foundry
  6. Gin Mare 公式
  7. Brown-Forman ブランドページ
  8. Difford's Guide
  9. The Spirits Business(2022年9月)

最終更新:2026-09-29 内容の誤りを知らせる