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DISTILLERY

桜尾蒸溜所

SAKURAO DISTILLERY

基本情報

所在地広島県廿日市市桜尾1-12-1[1][2]
運営株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリー(2021年に中国醸造株式会社から社名変更)[2]
竣工2017年12月[2]
つくるお酒ジン、モルトウイスキー、グレーンウイスキー(JWICによるとウォッカも)[1][3]
蒸溜器ドイツ・ホルスタイン社製のハイブリッドスチル(ジン用・再留用)、同社製ポットスチル(初留、5,500L)、グレーンウイスキー用のステンレス蒸溜器(減圧可)と、薮田産業製焼酎蒸溜器+自社製銅製コラムのハイブリッド[3][4]
見学見学ツアーあり、要予約(2026年時点の公式サイト)[1][3]
仕込み水小瀬川水系の伏流水(JWICによる)[3]

目次

  1. 1918年創業の酒蔵が、2017年に建てた蒸溜所
  2. 宮島を望む海辺と、山あいのトンネル
  3. 1台のハイブリッドスチルから始まった設備
  4. ジンのラインナップ
  5. 年表

1918年創業の酒蔵が、2017年に建てた蒸溜所

SAKURAO DISTILLERYは、広島県廿日市市桜尾にある蒸溜所です。竣工は2017年12月。ジンのほか、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをつくり、JWICによるとウォッカも製造しています。[2][1][3]

運営会社の始まりは、1918年10月に設立された中国酒類醸造合資会社です。JWICによると、地元の清酒メーカーが共同で出資してつくった会社で、焼酎を製造していました。1938年に株式会社となって中国醸造株式会社と改称し、1963年には清酒の醸造に着手しました。1967年にドイツの会社と共同開発した紙容器入りの清酒「はこさけ一代」を出し、1984年には缶入りチューハイ「カンペア」を発売しました。株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリーという今の社名になったのは、2021年です。[2][3]

ウイスキーとの縁も古く、JWICによると、1920年にウイスキーの製造免許を取っています。1989年にいったん製造を休止し、その後2003年に「戸河内」を発売しています。蒸溜の再開は2017年。SAKURAO DISTILLERYの竣工と同時です。JWICは、SAKURAO DISTILLERYの設立を創業100年の記念事業と紹介しています。[3]

宮島を望む海辺と、山あいのトンネル

蒸溜所は瀬戸内海の海辺に建っています。メーカーは世界遺産の宮島を対岸に望む立地と紹介し、JWICは、その対岸に厳島神社の大鳥居が姿を見せると書いています。[1][3]

ウイスキーは、蒸溜所内と、安芸太田町戸河内にあるJR廃線区間のトンネル内の、環境が異なる2か所で熟成させています。公式サイトは、ウイスキーには最低3年以上の貯蔵期間が必要だと説明しています。[1]

見学は2018年3月に始まり、同年10月にはビジターセンターが開きました。[4][2]

2026年時点の公式サイトは、見学の順路を4つのゾーンに分けて案内し、予約を受け付けています。最初はジンとモルトウイスキーの蒸溜器。次はグレーンウイスキーの仕込み。国産の大麦と麦芽を糖化し、25℃ほどに冷やしてから酵母を加えます。約3日の発酵で、アルコール度数約10%のもろみができます。3つめのゾーンでは、特注の蒸溜器でグレーンウイスキーを蒸溜し、バーボンやシェリーの空き樽に詰めます。最後は貯蔵庫。有料ツアーなら、ここでテイスティングができます。[1]

1台のハイブリッドスチルから始まった設備

ジンには、レモンをはじめとする柑橘や牡蠣殻、ヒノキ、桜など、広島県産の原料を使います。製法は二つの組み合わせで、ボタニカルをスピリッツに浸して蒸溜するスティーピングと、蒸気だけを通して香りを移すヴェイパーを併用します。[1]

発売時の発表によると、ジンの蒸溜に使うのはドイツ製の銅製ハイブリッド蒸溜器で、浸漬と蒸気による抽出を1台で同時に行います。[4]

設備は増えてきました。JWICによると、開設当初はドイツのホルスタイン社製ハイブリッドスチル1基で、ウイスキーとジンの両方をつくっていましたが、2019年にホルスタイン社製のポットスチルが1基増設され、もとのハイブリッドスチルは再留とジンの蒸溜に回されました。同じ2019年の二期工事ではグレーンウイスキーの蒸溜設備とウイスキー貯蔵庫が加わり、2021年には三期工事が行われました。[3][2]

JWICの設備一覧によると、モルトウイスキーの初留器はホルスタイン社製の5,500リットルのポットスチルです。再留器は、1,500リットルのポットスチルと6段のコラムスチルを組み合わせたハイブリッド型とされています。グレーンウイスキーには、減圧で蒸溜できる国産のステンレス蒸溜器と、薮田産業製のステンレス焼酎蒸溜器に自社製の銅製コラムを組み合わせた設備を使っています。[3]

仕込み水は小瀬川水系の伏流水だと、JWICは伝えています。[3]

ジンのラインナップ

2026年9月時点で公式サイトに掲載されているメーカーの商品カタログに載るジンは4銘柄。ORIGINAL、LIMITED、HAMAGOU、WHITE HERBSです。最初の2銘柄は2018年3月に同時に発売されました。[5][6]

HAMAGOUは、宮島の浜辺に咲く海辺の花ハマゴウを使うジンです。平安時代から香に使われてきた植物だと、メーカーは紹介しています。年ごとに版を変えて出しており、2026年7月21日発売の2026年版が9作目にあたります。[7]

WHITE HERBSは、蒸溜所の開設5周年を記念して2023年3月20日に数量限定で出たジンです。花束をイメージしてつくられ、レモンリーフ、白いバラ、バニラ、エルダーフラワー、マジョラムなど7種の香りの強いボタニカルを特徴としています。47%、700mlです。[8]

酒類業界誌The Spirits Businessの発表によると、2022年のThe Gin Mastersでは、HAMAGOUが最上位のマスターメダルを、ORIGINALがゴールドを受けています。[9]

年表

1918年10月前身の中国酒類醸造合資会社を設立[2]
1920年ウイスキー製造免許を取得(JWICによる)[3]
1938年8月株式会社に改組し、中国醸造株式会社と改称[2]
1963年10月清酒醸造に着手[2]
1989年ウイスキー製造を休止(JWICによる)[3]
2017年12月SAKURAO DISTILLERYが竣工[2]
2018年3月SAKURAO GIN ORIGINALとLIMITEDを発売。蒸溜所見学を開始[6][4]
2018年10月SAKURAO DISTILLERY VISITOR CENTERを開設[2]
2019年二期工事でグレーンウイスキーの蒸溜設備とウイスキー貯蔵庫を導入。ホルスタイン社製ポットスチルを増設(JWICによる)[2][3]
2020年SAKURAO GIN ORIGINALがTWSC2020でジャパニーズジンのカテゴリーウィナー[10]
2021年社名を株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリーに変更。三期工事を実施[2]
2022年SAKURAO GIN ORIGINALがTWSC2022で最高金賞、カテゴリーウィナー、ベスト・コストパフォーマンス賞[11][12]
2025年5月缶入り「SAKURAO GIN ORIGINAL GIN&TONIC」を発売[13]

桜尾蒸溜所の銘柄

参考資料

  1. サクラオブルワリーアンドディスティラリー(SAKURAO DISTILLERY)
  2. サクラオブルワリーアンドディスティラリー
  3. JWIC ジャパニーズウイスキーインフォメーションセンター(ウイスキー文化研究所)
  4. サクラオブルワリーアンドディスティラリー(PR TIMES掲載のプレスリリース、2018年1月31日)
  5. サクラオブルワリーアンドディスティラリー(商品カタログ 2026年9月版)
  6. サクラオブルワリーアンドディスティラリー(2018年1月31日のお知らせ)
  7. SAKURAO Brewery and Distillery(2026年7月のお知らせ、HAMAGOU 2026年版)
  8. SAKURAO Brewery and Distillery(2023年2月のお知らせ、WHITE HERBS 限定発売)
  9. The Spirits Business(The Gin Masters 2022 Second Tasting 結果)
  10. 東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC2020 洋酒部門 特別賞)
  11. 東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC2022 洋酒部門 最高金・金・銀・銅賞)
  12. 東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC2022 洋酒部門 特別賞)
  13. サクラオブルワリーアンドディスティラリー(2025年のお知らせ「SAKURAO GIN ORIGINAL GIN&TONIC」新発売)

最終更新:2026-09-28 内容の誤りを知らせる